ココスガーデン1
花とアルミでつくる癒しの空間
ココスガーデンオーナー 吉原春海氏に聞く
ラチスパネルによるアルミ建築第1号『ココスガーデン』が昨年12月に福岡市内に完成しました。アルミ建築による初の商業店舗空間に多くの期待と注目が集まりました。
ラチスパネルを使った一般のアルミ建築第1号となったココスガーデン。4年掛かりでなんと6回もの計画案を他社に提出させたというこの店舗の改築にアルミが決定したのは、ほんの数ヶ月前のことでした。
「繊維業界で働いていた頃に、当時ファスナーの製造販売会社だったYKKの吉田社長が、アルミ建築の可能性について語られているのを伺い、大変感銘を受けました。その時からずっと抱いていたアルミに対する想いが30年以上経ってようやく実現できる。そんな気持ちから一気にアルミでお願いする事に決めました」
街中で注目を集めるアルミ建築
家族や従業員の方にまったく相談せず、独断で話を進めてしまった為、前例のないアルミ建築に対する周囲の反響は様々だったようです。
「最初は反発する声もありましたが、工事が進むにつれ、周りの見方が変わってきました。ここは官公庁街で、毎日1万8千人もの人が行き来する場所。通りがかりの人たちは『何が出来るんだ』って顔をして見ていましたよ。契約をした後に、エコムスハウスがグッドデザイン賞金賞を受賞したという話が舞い込んで来たのも嬉しかったですね。これはいけると、自信が確信につながりました」
吉原氏はアルミ建築はもちろん、ラチスパネルが作り出す千鳥格子の模様に大変魅力を感じたそうです。ちなみに千鳥柄は着物にも使用され、厄落としを意味する大変おめでたい柄なのだとか。商売にはとても縁起のいい模様だというお話も聞かせいただきました。また柱がない分、空間を有効活用でき、コンクリートでは1メートルしか取れなかった店舗前のスペースを、最大2.8メートルまで取る事が出来たのも、ラチスパネル工法の大きなメリットだったと吉原氏は語ります。
価格に対する現実 今後の課題
しかし、価格に対してはまだまだ検討をして欲しいとの提言も。
「やはり理想は、坪60万円でしょう。現在の価格では高すぎます。店舗の場合は坪単価以外に内装費などが掛かってくるので、最初は坪60万円で契約し、その後に出てくる施主の要望に応じて、製作に掛かった費用を別途算出するという方法を考えて欲しいと思いましたね。エコムスハウスは工期が短い分(約2ヶ月)、もっとコストダウンが図れるのでは…というのも正直な感想です」
将来的には、花を愛する人の為の『ケアハウス』を建築したいと話す吉原氏。シロアリやシックハウスなどの害を受けない健康な家づくりがアルミなら可能だと考えています。
「アルミには、癒しがあるんですよ。昔は鍋や弁当箱など、みんなアルミだった。アルミを見ると幼い頃の懐かしい思い出が蘇るんです。そのアルミに花の癒し効果が加わったら、素晴らしいケアハウスになると思いますね。そんな夢が早く実現できるように、アルミ建築がもっと普及してコスト面の問題がクリアされることを心より期待しています」