New factory completion of SUS
さらに進化するアルミ建築
SUSタイランドに第2工場が完成
2007年12月に竣工し、ecoms23号でも紹介したSUSタイランド新工場のその後と、隣接する用地に建設された第2工場、着々と進められる『アルミランド』構想についてご紹介します。
タイ新工場竣工から1年を振り返って
自然エネルギーを活用することで、環境にやさしい未来型の工場を目指したSUSタイランド。その象徴ともいえる巨大な電動ルーバーは、定期メンテナンスは行われているものの、目立ったトラブルもなく順調に稼動を続けています。
「ルーバーによるウォールレス化により工場内の空気が自然循環しているため、風の通りが格段によく、空調を用いなくても温度の上昇を抑制できています。密閉された同業の工場と比べ、遥かに快適な環境であるといえるでしょう。ルーバーを開けることで十分な採光が取れるため、工場内は常に明るく、日中は照明が必要ありません」(現地在住日本人スタッフ)。
洪水による水害が多いタイの気候を考え、「高床式」を取り入れ、地階部分を駐車場として活用しているこの工場。地階からそのまま工場階へと上がれるため、従業員は雨風に濡れることなく会社へ通勤することができ、車も炎天下にさらされることがないため、高床式は大変好評です。また日中は大きな日陰となり、しかも風通しがよいため絶好の休憩スペースになっているとの情報も。お昼時にはここにテーブルやイスを並べ、従業員が楽しげに食事を取る姿も見られます。
気候を生かして太陽光発電にトライ
新設された第2工場には、自然の恵みを活用した太陽光発電パネルが設置されました。北緯13度で日本に比べて日照時間が長い(年間平均約7時間、最大9時間)タイの気候を生かし、つくられたエネルギーを地元の電力会社へ売電しています。現在はまだ試験段階ですが、今後は徐々に太陽光発電の容量を増やし、自社設備への還元を実現していきます。
環境にやさしい冷却式LED照明も採用
日中は自然光だけで十分明るい工場内も夜間は照明を使用します。新設された第2工場では省エネ効果の高いLED照明を積極的に活用しています。
中でも特筆すべきは冷却式LED施設照明ユニットの採用です。スタンレー電気が開発したLED照明で、発熱をコントロールするために照明器具内に冷却システムが搭載されています。一般的な水銀灯が400ワット程度の電力消費であるのに対し、180ワットと非常に省エネ。電源OFF直後でも、瞬時に再点灯できる点も魅力です。停電の多いタイでは、操業中に消灯することも少なくありません。電力復旧後、即時に操業を再開できることは、現場サイドに大きなメリットをもたらしてくれました。
コンパクトでありながら、1日12時間点灯しても10年以上、交換が不要なLED照明。小型、且つ高い照度を持つため、夜間の工場作業で活躍しています。
日本からタイ、そしてアジアへアルミフレームの本格生産を開始
現在、SUSのアルミフレームは福島事業所(須賀川市)で生産され、各拠点からお客さまのお手元へ配送しています。近年ではタイ、中国などアジア地域からの引き合いも増え、販売フィールドはワールドワイドに広がっています。より短納期で海外のお客さまのもとへ製品をお届けするために、新設された第2工場には押出機が導入されました。
現在、タイ人スタッフに日本からの応援も加わり、総勢16名がアルミフレームの本格生産に向けて準備を進めています。当面はタイ国内への出荷が中心となりますが、数年後にはアルマイト専用棟を新設し、東南アジア全域を視野に入れたフレーム供給拠点とすることを目標に掲げ、着々と準備が進められています。
工場内にキャンティーンをSUSファームプロジェクトが稼動
現在、総勢430名が働いている工場内では、立地の不便さゆえに社員のランチタイムに大きな問題を抱えています。近隣には飲食店が少なく、ほとんどの人がデリバリーサービスを利用していますが、多くの社員が工場内に、食事ができるキャンティーンが設置されることを望んでいます。近い将来、社員が待ち望むキャンティーンを建設するために、また社員に安く食材を提供するために、SUSファームプロジェクトが始まりました。
電動ルーバーが動き、太陽光による発電を促すハイテク環境が整った工場の仕事と並列しながら、社員自らが野菜を育て、魚を養殖し、家畜を育てるという、まさに自然と共存したタイならではの業務スタイル。立ち上げ当時は社員総出で農作業をこなし、ようやく形になりました。日常業務から離れ、陽の光を浴びて作業をすることで「土を触ってリフレッシュできた」「農場は涼しく、リラックスできる」「野菜を安く手に入れることができた」など社員にも評判は上々とのこと。8月初旬には採れた作物をみんなで味わう収穫祭が開かれ、喜びを分かち合いました。