その他

アルミテントハウス

住宅でもない、テントでもない、新しい居住空間が誕生しました

災害時の仮設住宅からレジャー空間まで、快適性を求めた新しい居住空間、それがアルミテントハウスです。SUSがこれまで培ってきた技術力とデザイン力の結晶です。

災害時の仮設住居として

災害時の避難生活は、これまで体育館など公共施設での集団生活が基本でした。災害発生から数日間であればそれでも構いませんが、プライバシーのない不自由な環境は長引くに従って、そこで生活する人に多大なるストレスを与えます。SUSの開発したアルミテントハウスは、仮設住居による生活再建までの間、人々の生活を支える新しいタイプの居住空間です。簡便な組立が可能であり、居住という概念を組み込んだ避難施設の新しい形といえるでしょう。

レジャー施設として

別荘であれば土地の取得から設計、建設、そしてメンテナンスに至るまで、長い時間とコストを要します。一方、キャンプ用のテントは、機能性に優れるとはいえ、雨風をしのぎ休息することを主な目的としているため、心地よい空間とはいえません。アルミテントハウスは、キャンプ用のテントの機能性はそのまま、より快適な空間を追求した新しいスタイルのレジャー空間です。滞在時間が長いほど、その真価を発揮します。

5つの特徴

1.コンパクトな収納
簡単でコンパクトな収納、軽量で平易な運搬を第一に考えました。専用のボックスは大きさ2.4m×1.2mで厚さが13.2cm、この中に1ユニットに必要な部材すべてが収納されます。重さは86kg。大人4人で運べる重さです。また、この収納ケースはテントの床材としても使用されるので、設営時の邪魔にもなりません。

2.簡単設営、解体、収納もスピーディー
組み立て時間は3人で約30分(送風時間を含む)。特殊な工具や脚立などは必要ありません。

3.快適な室内空間
内部空間は2.4×2.4×2.4m(1ユニット)の立方体で、中央部のみならず周辺部でも十分な天井高があるため、圧迫感はありません。しかも、ナイロンタフタというテント膜素材は光をわずかに透過しますので、明るく暖かみのある空間が実現しました。

4.ダブルスキンによる柔らかいフォルム
テント膜はナイロンタフタを用いたダブルスキン構造です。空気層をつくることで、断熱性能および防水性能の向上を図り、高い居住性を獲得しています。なお、このテント膜はエアロテック社製。同社独自の縫製により、他に類を見ない柔らかいフォルムが実現しました。

5.組み合わせ次第で大きさは自由自在
最少ユニット(2.4×2.4×2.4m)を2つないし3つ組み合わせて、大きさを変えることが可能です。

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    連結タイプ(写真は3ユニットタイプ)

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2.4×2.4×2.4mのユニットが基本単位となりますが、このユニットを2つないし3つ連結させたタイプも製作可能です。途中、ブレースで仕切られることなく、奥行き4.8m、7.2mの空間が実現します。ある程度の面積を必要とする災害対策本部や救護施設、支援物資の保管・仕分け場所といった施設の利用に適しています。利用人数や使い方に応じて、必要なタイプをお選びください。
※1ユニットタイプを2つ購入いただいても、その2つを連結させることはできません。テント膜も連結数に応じて形状が異なります。

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    3ユニットタイプ組み立て作業

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    軽量かつ強い剛性を実現した専用設計材

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    LED照明・照明スイッチ・電源ユニット(オプション)

開発協力者の声

私は、軽量建築、モバイル建築をライフワークとして提案し続けています。そのこともあり、アルミには以前から大変興味を持っていました。そんな折、開発の依頼をいただいたのが、このプロジェクトです。宇宙船などに見られるように、エンジニアリングサイドからの要望を取り込み、機能を徹底的に追求することで、よりシンプルで美しいものにしようと努めました。一方、「テント以上、コンテナハウス未満」をコンセプトに、一般の方が道具なしで簡単に組み立てられる仕様も同時に目指しました。
試作第1号の完成時は感慨深いもので、今でもそのときのことは忘れられません。そこから数年かけて現在の製品の形に近づけていったのですが、より美しく、より軽く、より簡単に組み立てることができるものに仕上がったので、とても満足しています。さらに、ここからユーザーの意見などを取り込み、改良を加えていけば、それが社会貢献につながるのだと思っています。オオニシタクヤ氏(デザイン協力)

構想にあった機能性やデザインのよさを忠実に具現化することに、もっとも注力しました。バルーン製品は使用する素材(ファブリック)や立体裁断のパターン(型紙)によって、出来上がりのイメージが変わるからです。中でも素材に関しては、ずいぶん苦労しました。使用目的を考えると軽量・コンパクト・防水性・防炎性、それにコストパフォーマンスも要求されます。これらの条件を満たす既存の生地がありませんでしたので、新たにつくることになりました。何度も試作を繰り返し納めたテントに関して、いただいた第一声は「イイです! カワイイ!」でした。苦労した甲斐があったなと感じたことを覚えています。
今後はさらに、バリエーションが増えていくことを期待しています。例えばもっと軽いもの、コンパクトなもの、バルーン膜を形成するのに電力を必要としないものなどです。移動から設置、形状の維持まですべて、どんな状況下でも設営可能なものです。大曽根興光氏/エアロテック社(テント膜製作)