新システム登場
tsubomi
aluminum space packaging system
tsubomi それは大人の夢をかなえる空間です。わたしたちは、この空間をaluminum space packaging system(tsubomi)と名付けました。軽くて丈夫。しかも美しい。それはアルミから生まれたプロダクトです。今回は、このtsubomiを特集します。
ミニマムハウスの機能はそのままに空間構築システム「tsubomi」登場
ecoms14号で紹介し、多方面から多くの反響を得た「ミニマムハウス」。しかし、コストや施工面では課題が残されていました。これらの問題点を検証・改良を重ね開発したのが「tsubomi」なのです。
空間をパッケージするシステム
「tsubomi(ツボミ)」とは、長さ1m角のアルミフレーム材から構成される正方形のパネルユニットを組み合わせることで、様々な大きさ・形状のプライベートスペースを気軽に実現できる「空間パッケージングシステム」です。
空間をパッケージする…ちょっと聞き慣れない言葉かもしれません。必要な時に必要な空間をあなただけのスペースに変える事ができるということなのです。1m単位で幅・奥行・高さ全てを自由にカスタマイズすることも可能。床材・壁材・天井・屋根材も各種オプションから自由に選べます。
従来の問題点を様々な角度から検証
前号でご紹介したラチスパネルによるミニマムハウスで、問題点として挙げられた「施工性」と「コスト面」。この二つを徹底追求し、改良されたポイントをご紹介します。
【施工性】
①重さについて
「ラチスパネル」約28kg
「tsubomi」約15kg
1.2m四方のラチスパネルでは大きさ・重さ共に1人での持ち運びは不可能でしたが、1m四方のtsubomiパネルなら、1人での持ち運びが可能になりました。
②DIYの可能性について
「ラチスパネル」DIY不可(ハイテンションボルト接合のため)
「tsubomi」DIY可能
③セルフビルドという作業範囲
ラチスパネルでは実現不可能だったセルフビルド(実際にはユニックなどの重機を使用しなければならないなど、人力だけでは難しかった)も、「tsubomi」なら可能。パネルの持ち運びも1人で対応できるため、3m四方の標準タイプなら、セルフビルドで作業ができます。
④誤差の修正について
一面ずつ工場で組立て、現場で合わせていく工程は前回と変わりませんが、ラチスパネルに比べて誤差は格段に減り、一段に対して1mm程度です。
【コスト面】
「ラチスパネル」仕様のミニマムハウス 約320万円
幅2.4m×奥行2.4m×高さ3.6m
「tsubomi」標準タイプ 199.5万円(施工費込み)
幅3m×奥行き3m×高さ3m
スペースは前回のラチスパネルによるミニマムハウスを上回る広さでありながら、価格は2/3以下とコスト面も大きく見直されました。普通乗用車約1台分に相当する値段で、自由な空間を所有できるのです。
「tsubomi」開発担当に聞く
ラチスパネル工法をさらに改良して作られた「tsubomi」。
開発担当者側から見た「tsubomi」について話を聞いてみました。
Q.tsubomi開発のいきさつを教えてください。
A.SUS建築研究会において、ラチスパネルの進化系として、より軽量で簡便、さらに汎用性の高いアルミフレームシステムの開発を目的に考案されました。
Q.tsubomiとラチスパネルは、どこが違うのでしょうか。
A.開発にあたって最も重点が置かれたのが「軽量化」と「低コスト」です。標準タイプの広さについては必要十分な強度に絞り込むことで、軽さを追求しています。さらに、より大きな空間の建築物には強度を増したフレームを使用することにより、建築規模に見合った強度と軽さを併せ持つことができます。また、パネルを積み木のように組立てることができるので、個人のお客様によるDIYでの施工も可能です。
Q.tsubomiフレームの特長について教えてください。
A.SUSのFA(ファクトリーオートメーション)技術により支えられた強度と拡張性を備えたSFフレームを使用しています。SFフレームの特長であるTスロットにより、デスク、ロフト、棚などの取り付けが容易に行えます。今後はお客様の意見をもとにしたオプションアクセサリーパーツの開発が重点課題です。
Q.tsubomiの構造は、どうなっているのでしょうか。
A.SFフレーム+ブレースにより1m角の構造パネルを形成しています。これを千鳥状に配置することにより、建物を構築していきます。この方法はラチスパネルより継承されたパネル工法です。
Q.強度は、大丈夫ですか。
A.公的機関により水平載荷試験を行い、パネルせん断強度の検証を行っています。
Q.tsubomiのコストについて詳しく教えてください。
A.パネル単体の軽量化による製品コストの低減と、施工の容易性による施工コストの低減という2方向からコストパフォーマンスを追求しました。これにより、標準タイプでは200万円を切る価格を設定することが出来ましたが、今後さらなるコスト低減とニーズに応えた機能、利便性のアップが必要と考えます。
こんな土地、あんなスペースがあなただけのオリジナル空間に
標準タイプは3m×3m×3mの27㎡ですが、幅・奥行・高さ、それぞれを自由に変更できるので、用途に合った空間を構築できます。
また狭小や変形したスペースを有効に無駄なく活用したいとお考えの方にもお薦めです。あなたらしい発想で、自由にスペースの使い方を考えてみてはいかがでしょうか?
ミニマムハウス同様、構造はすべてアルミフレームなので、リサイクルはもちろんリユースも可能。工期も短く(10㎡・非耐火の場合は1週間以内)、解体して違う場所で再利用もできます。もちろんリユース時のカスタムアップも可能です。
着替えるtsubomiパネル
アルミフレームで構成されているtsubomiは、空間そのものがとてもシンプル。ベースのアルミを生かした空間も素敵ですが、木材を各所に使って、温かみのある空間を演出することもできます。
もっと個性的な空間を…とお望みの方には、「着替えるtsubomiパネル」もご提案できます。お好みの色やイラスト、文字をプリントしたラッピングシールで壁パネルをアレンジ。個人ユースだけでなく、商業店舗・イベントブースとしても幅広い用途が期待できます。
仕事や日常から離れて、自分の好きなものだけに囲まれてゆったりと過ごす至福の時。現代に生きる忙しい大人には、そんなゆとりの時間が必要なのではないでしょうか…。
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(右)【音楽好きな仲間と集う】 学生時代からバンドを組んでいたというKさん。コレクションのギターに囲まれて、当時の仲間と音楽談義に花を咲かせるのが一番の楽しみだとか。(左)【小さなフラワーショップ】OL時代に貯めた資金でフラワーショップを始めたN子さん。小さいながらも自分の店が持てて満足。tsubomiの利用で店舗資金が格安だった点が大きかったと話す。
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(右)【アトリエ・陶芸教室】定年退職を機に長年の趣味だった陶芸を本格的に始めたYさん。自身のアトリエとして、また陶芸教室としてもスペースを開放し、活用中。(左)【充実したホビールーム】自転車の奥深さにはまっているEさん。大事な愛車は室内保管が厳守。ジャージやこだわりのパーツをtsubomiに並べて自分だけの空間を演出しています。
「究極の癒し空間」を求めて…
ecoms14号に「ミニマムハウス」を掲載して以来、空間の利用方法について、多方面から様々なお問い合わせを頂いています。
「アトリエとして使ってみたい」「1Fをガレージに、2FをSOHOスペースに」と言ったお話が一般的ですが、中には「マンションの屋上に設置して露天風呂として使ってみたい」「1Fをガレージ、2Fを屋外テラス、3Fに露天風呂を作りたい」といった以外な使い方に着目したお問い合わせもありました。
ガラス張りにした天板から差し込む月明かりに照らされ、星空を眺めながらくつろぐ時…大人ならではの「究極の癒し空間」と言えるのではないでしょうか。
夢を現実の形に今すぐトライ!
「子供部屋」と呼ばれる空間は存在しますが、大人になるとなぜか自分だけの自由なスペースというのが自然に消滅してしまうものです。
「書斎を持ちたい、趣味の部屋が欲しい。でも、そのためだけに自宅を改装するのは…」とためらっていらっしゃる方、ほんの少しの空きスペースも無駄にしないtsubomiなら、あなただけのプライベート空間を短い工期で実現します。
デスクやロフト、書棚などオプションパーツをつければ、SOHOはもちろん、書斎・趣味の部屋としての活用度もアップ。シンプルな仕様なので汎用性・拡張性も高く、どんな空間にもフレキシブルに対応できる点が大きな魅力です。
空間の大きさ、使い方は無限大
tsubomiは汎用性が高く、スペースの広さや大きさはフレキシブルに対応できるとお伝えしてきましたが、実際の施工を考えた場合、いったい何メートルまで拡張が可能なのでしょうか…。
現段階で拡張可能な高さは9m(拡張可能範囲。3階建・階高3m以下)、幅・奥行および梁スパン(壁間隔)については、構造上耐えられる範囲内で対応させて頂きます。(但し、以下2項目の建築基準法および関連法規に準ずる条件を満たす必要があります。①構造上、成立の可能性があること②防耐火その他、構造強度以外、法規制を満たしていること)
3階建は建物高さ9mに相当します。内階段・外階段の取り付けも可能なので、個人で楽しむ空間だけでなく、商業店舗や事務所、工場内の詰所、イベントブースなど、活用の幅は多方面に広がります。