進化するアルミ建築
SUS・福島事業所が竣工
2005年5月30日、SUS福島事業所が完成。限りなく進化していくアルミ建築と、SUS初、アルミフレームの一貫生産設備を備えた最新の生産工場をご紹介します。
独創的な形状のオールアルミ建築が出現
燦々と降り注ぐ陽光に光り輝くアルミ建築、真っ白なスレートが眩しい工場外壁。穏やかな空気が漂う広大な敷地の一画に忽然と佇むその姿には、訪れた人の誰もが目を見張ります。
2003年9月、アルミフレームの自社生産設備の導入に踏み切ったSUSは、福島県須賀川市にある福島未来博跡地「須賀川テクニカルリサーチガーデン」内に工業用地を取得し、翌年2004年5月から事業所建設着工。同年11月のアルミ押出工場完成を経て今年2005年5月30日、アルミフレームの押出から切断・加工・出荷までは一貫して行うSUS福島事業所がついに竣工しました。
事務棟は、SUSと山本理顕設計工場との共同開発による「ラチスパネル」を用いたオールアルミ建築。不規則に繋げられた建物は、1部3階建の独創的な設計で、従来のecoms houseとは一味違う意匠性の高さがうかがえます。
隣接して押出・加工の工場棟と表面処理を施すアルマイト棟も建設され、純白のスレートとガラスブロックのパターンが施された外観は、通常見慣れた生産工場の様相とはかけ離れた鮮やかさを呈しています。
立地場所の虹の台は、東北自動車道須賀川ICから12km、福島空港から7kmとアクセスも便利。周囲を自然林が取り囲む緑豊かなこの場所に、SUS最大の生産拠点が誕生しました。
【DATA】
所在地 福島県須賀川市虹の台21-1
設計 株式会社山本理顕設計工場
敷地面積 47,425㎡
工場棟(鉄骨造2階建) 敷地面積5,552.57㎡/延床面積6,797.89㎡
アルマイト棟(鉄骨造2階建) 敷地面積 1,931.42㎡/延床面積2,788.29㎡
事務棟(アルミニウム造3階) 敷地面積427.79㎡/延床面積569.64㎡
最新のラチスパネル工法
その全容が明らかに
昨年2004年3月、SUS九州事業所に完成したラチスパネル工法によるアルミ建築実用化第一号の「ecoms house」を、新たなモデルに進化させた福島事業所・事務棟。
今回、ラチスパネルの厚さを開発当初の100mmから70mmに改良し、アルミの使用量を大幅に減らすことでコスト削減を実現しました。また施工性を考えた結果、パネル同士の接合は工場で行わず、パネル単体を現場に搬入。その場で調整しながら組上げる方法を採用しています。
事務棟は、曲線美が印象的なエントランスから、ラウンジ棟(3F)、ルーム棟、オフィス棟、ecomsショールームの4棟が扇状に配置され、各棟を繋ぐ空間はホワイエとして構成されています。棟内はオフィスルームやラウンジなど機能性とデザイン性を引き立てる設計がなされ、従来のecoms houseにはない実用的な新しい空間がつくられました。
夕空をラチス越しに望めば、差し込む光が格子模様を描き出し神秘的な美しさすら感じられます。パネル表面はアルマイトつや消しクリア塗装で仕上げられ、自然光が溶け込むスケルトン・ファサードは青々とした芝が広がる屋外と不思議な一体感を生み出しています。
従来のラチスパネル工法に改良を重ねて完成した福島事業所・事務棟。そこには、進化し続けるアルミ建築の新しい姿が存在しています。
「アルミフレームの押出し加工」(ビレット買付~押出し~熱処理~アルマイト加工~切断~製品)を一貫して行えるのが、SUS福島工場です。昨年2004年11月の工場完成時にプレス能力2300tのアルミ押出し機を導入し、隣接地にアルマイト工場も建設。事務棟・工場棟・アルマイト棟を併せ持つ、SUS最大の生産拠点です。
およそ500℃の熱でビレットと呼ばれる棒状のアルミ塊を熱し、柔らかくなったところをトコロテンのように押出して、アルミフレームを成形していきます。1分間に約20m~40mの長さでフレームは押出されていきます。生まれたてのアルミフレームは4mに切断され、熱処理を施された後、アルマイト工場へと移されます。ここで表面処理(陽極酸化皮膜処理)が行われ、アルミフレームはより腐食し難くなるのです。その後は、ご注文に合わせて加工・切断され、製品としてお客様の元に届けられています。
SUS全体で、常時400種類ものフレームが揃えられ、お客様のご注文にはクイックレスポンス(製品によっては即日出荷も可)でお応えしています。
尚、アルミ建築やオリジナル家具の製作・設計支援については、エコムステクニカルサポート(本社エコムス営業0543-61-7050)をぜひご利用下さい。